
夏の仏事といえばお盆です。毎年8月15日(地域によっては7月15日)を節目に行われているお盆は、『仏説盂蘭盆経』というお経に由来するものです。
そこには、この時期に僧伽に食物等を供養すればその功徳により、生存している者から亡くなった者までが大きな福を得ることができると説かれています。
また、一般的なお盆のイメージは「先祖の霊が帰ってくる」というものですが、これは、日本古来の信仰や中国の道教などの影響が大きいようです。
このように様々な影響を受けながら、発展してきたお盆は、一年の節目に親しい者が集い、故人(先祖)を通して、ご縁を大切にする心を養ってきた日といえるでしょう。
浄土真宗の教えでは、お浄土で仏さまとなられた方は、私たちを幸福へと願い導くために、すぐさまこの世に還って来て、日常にある様々なご縁を通してはたらいてくださっています。
ですから、私たちにとってのお盆は、故人を偲ぶと共に、ご縁を通しておはたらきくださる仏さまのお心を、改めて聞いていく機会となります。